冬が嫌い。死にたくなるから。
冬になるとわけもなく死にたくなりません?
ひもじい 寒い もお死にたい 不幸はこの順番で来ますのや。
元気が出ないときにオススメなのが、
最近、東映不思議コメディーシリーズ作品をついつい観てしまう。
観てるととても和む。
癒される。
特に『有言実行三姉妹シュシュトリアン』にハマっている。
放送当時のことはあまりよく覚えていない。
何故かシュシュトリアンにはあまり良いイメージがなかった。
シリーズの他のヒロインより歳下なのにコスチュームが妙にアダルトなせいで、何となく親しみ難さを感じていた。
番宣の写真で三姉妹が笑っていないせいで、更に輪をかけて親しみ難かった。
あと、タイトルが好きじゃなかった。
25年ぶりに観てみてみたら、記憶とはだいぶ印象が違った。
やみつきになる面白さだった。
どうして今まで毛嫌いしていたんだろう。
とっても癒される。
何ともハッピーな作品だ。
こんなにおおらかな時代がつい最近まであったんだなあ…。
これくらい気楽なノリで生きていけたらなあ…。
毎回、多種多様な変態が登場し、三姉妹に諭されて改心する。
誇張ではない。
タイツ姿で町中を走り回るオッサン、投資に失敗して自殺しかけるオッサン、お誕生日会荒らしをするオッサン、シュシュトリアンをローアングルから撮りたがるオッサン、、、そんなんばっか。
強くて綺麗な女子学生に叱ってもらいたい…今の自分の欲望をストレートに満たしてくれる。
三姉妹を鯉のぼりにしてパンチラ撮影会を開くとか、スキャンティーを煎じたお茶を飲むとか…。
意味不明で犯罪じみた内容に毎回度肝を抜かれる。
今回は驚かないぞと身構えていても、結局毎回驚かされる。
が、、、
それよりも、女の子とオッサンとの距離感の近さにドキドキした。
女の子がみんな割と抵抗なくベタベタ触る。
フライドチキン男が雪子の寝ている布団に潜り込んできても、ちょっとドツかれるだけで済む。
フライドチキン男が月子の下着を盗んでも、ちょっと注意されるだけで済む。
オッサンの身体中に貼られた湿布をシュシュトリアンが剥がすという、ご褒美としか思えない戦闘シーンもある。
月子が妖怪の腹を膝蹴りすると口から拳銃が出てきて、それを月子が自分のスカートの中に仕舞う…なんてシーンもある。
…エロい。何やら妙な暗喩が込められていそうだ。この場面を観て俺は完全に月子派になってしまった。エロい。
…しかもその後、月子は妖怪に地元へ帰るよう説得するのだが…ベッタリくっついて、寄り添うように座りながら話すのである。
…エロい。月子が、エロい。
今の女学生と違って微かにピュアさがある。
援助交際が社会問題化する直前の女子学生文化というか。
宮沢りえ時代の終わりというか。
女子が自身の商品価値を打算的に考えすぎない態度に懐かしさを覚える。
「キャラ」「イケメン」「いじり」みたいな言葉が日本中を席巻する以前の風景ってこんな感じだったのかな。
毎回絶句するほどの変態が登場するのだが、三姉妹はいつも大真面目に、さほど嫌悪感を示さず対応する。その姿が神々しい。
そして誰もツッコミを入れない。
他の浦沢義雄作品にもよくあるように、ボケのボケ倒しで進む。
この感じ、久しく味わっていなかった。
使われている言葉の選び方が伸び伸びとしていて楽しい。
今放送したら「突っ込みどころ満載」とか言われちゃうんだろうなー。
そもそもツッコミって、そんなに必要なものなのだろうか。
個人的に、ツッコミが律儀に入るギャグというのは、どうも野暮ったく感じる。
なんか、もう、無理して突っ込まなくてもいいんじゃないかな。
『一億総ツッコミ社会』じゃないけどさ。
鑑賞者のリテラシーを信じることができないから、ツッコミ過多な作品ばかりになっているのかもしれない。
ツッコミだらけの世の中に疲れたら『有言実行三姉妹シュシュトリアン』を観よう。
月子がエロい。
おわり